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韓国では今日は祝日であるということで、大変なにぎわいとなり、会場は二回のメインの観客席がほぼ満席となる中、女子個人総合は中国の張楠がミスの少ない演技で優勝。二位には27歳になるチュソビチナが入り、三位には最初の種目の平均台で落下した中国期待の若手、康欣が入った。日本勢は大島がミスで順位を落とし、石坂はミスは少なかったがSVや実施減点の差で8位入賞に留まった。

女子も採点に疑問

女子はゆかの採点で極端な偏りがあった。地元韓国の審判が、どうやら地元の選手のときは点を上げ、その基準でつけるべき日本、ウズベキスタンなどの点を極端に落としたのだ。それは、例えば大島選手の採点の際、実際に主審の山田さんと電話で話しているシーンが見られたときに容易に想像できた。ソウルアジア大会でもそうだったが、地元となると極端に点をつける傾向がある。それが影響して、ヨーロッパから一人中立審判を入れるという制度ができたのだ。でも今回はいた気がしなかったのだが、実際にはどうだったか不明。

いずれにせよ、最後のゆか、チュソビチナは団体戦よりも出来がよかったように思えたのに、団体戦より0.3近く下がり、SVも0.1低かった。そして、地元韓国の選手は9.4のSVで9.000が出るなど、「なぜ?」という疑問は、怒りに変わりかけていた。

第一ローテーション

中国の康欣は、平均台でウルフジャンプから即前方宙返りのところで落下。しかし、9.000を出して、何とか挽回できる位置につけた。チュソビチナは跳馬でお得意の前転跳び前方屈身(伸身かも)宙返り一回ひねりでほぼ着地を止めて、9.525を出す。張楠は段違いで着地まで完璧な演技で9.500を出す。韓国のパク・ジュンヒェがユルチェンコ一回ひねりではあったが、8.925を出し、三位につける(これもかなり甘い・・・)。大島、石坂はそれぞれ段違い、跳馬で着地が動く程度の内容であったが、SVが高くなく、8.6と8.7に留まった。北朝鮮勢は、エースのソ・ジョンオク選手は平均台をまとめたのだが、キム・ウンジョンが段違いで、低棒で倒立のバランスを崩し、その後強引に続けたものの、低棒から高棒への飛び移行で落下。8.300に留まった。
第二ローテーション

チュソビチナは段違いでノーミスに近い演技であったが、価値点が高くなく、9.075になった。張楠は後転跳び連続から伸身宙返りの部分で、伸身宙返りを入れることができず、前宙の後もやや停滞するものの、9.375でトップに立つ。北朝鮮勢はソ・ジョン・オク、キム・ウンジョンともにミスなくまとめてきたが、日本の大島は平均台で、入りで落下、その後の後方系のシリーズでも後転跳びで足が外れかけていたのを強引に繋げてしまい、落下してしまう。その際に平均台で体を打ってしまい、その後の状態が心配された。韓国のゆかはパク・ジュンヒェが「まさかの」8.975。SVから考えても、この点はおかしい。最後の二回半ひねりも決していい着地ではなかったはずだ。石坂は段違いも昨日同様、安定して8.450にとどまってくれた。
第三ローテーション

張楠のゆかは三回ひねりこそややつっぱった着地であったり、ジャンプ系でもやや不安定であったが9.175をマーク。康欣は跳馬の屈身前宙半ひねりで無難にまとめ、9.000を出す。チュソビチナは10年前には入れてなかった後方伸身宙返りや、低い姿勢でのターンなど、構成をがらりと変えて、安定感も抜群だったが8.775に留まる。大島はゆかはノーミスで、本人もほっとする演技だったのだが、8.800しか出なかった。先の韓国選手と比べてそんなに劣るとは思えなかったのだが・・・。パク・キョンアは跳馬でも8.900を出して、上位三名のミス待ちである四位につけた。石坂は平均台もまとめて入賞圏内に。

第四ローテーション

チュソビチナは平均台同様、熟練性あふれる素晴らしい実施で、着地がほぼ完璧に決まり、これまでの流れ出いくと9.500はおかしくない出来であったと思われたが、まさかの9.025。昨日の点数とのあまりの違いに驚かされた。康欣は降りで珍しい振り出しからのダブル(83年の世界選手権の西ドイツの選手以来、久々に見た)を見せたが9.000に留まる。しかし、その後の韓国のパク・キョンアはパク宙返りでも大きく足が開いたり、車輪のひねりも熟練度が高くないにも関わらず9.100を出す。中国選手の後でこの得点は極端であった。張楠はチュソビチナがゆかで高得点であれば、跳馬でミスを許されない状態であったのだが、チュソビチナの得点が伸びず、よほど大きなミスがない限り優勝だったが、低い着地で後ろに大きく一歩下がり、8.975としてしまったが、何とかチュソビチナを振り切り優勝。日本勢は、大島がユルチェンコ一回ひねりでやや膝が曲がったのだが、着地はまとめて8.725。石坂はゆかで昨日から今日のアップまで止まっていた最初の月面でラインオーバーしてしまい、7位と0.15差の八位となった。

それにしてもこれがアジア大会の採点か・・・と思うと、大会の成績は当てにならないな、と思ってしまった。しかし、上位の順位は妥当であり、やはり張楠はそれだけの力があり、チュソビチナはSVで及ばなかったかなということで、そして、康欣は平均台で落下したので仕方ないと・・・。逆にかわいそうなのは日本選手であったかなというところであった。