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於 2004/4/18(日) なみはやドームサブアリーナ

今年の大会は、上位校においては、例年にない、各チームの充実した演技を見ることが出来た。特に男女共に優勝した大阪体育大学、武庫川女子大学はミスが非常に少なく、このまま西日本インカレでの各チームの活躍が楽しみなものとなった。

昨年は天理大学(Aチーム)がミスの多かった大阪体育大学を破り優勝したが、今年は天理大学が昨年までの藤原、弓場といった二人のポイントゲッターを欠き、苦しい状況に立たされた。一方、大阪体育大学(Aチーム)は昨年から残ったメンバーも多く、非常に有利な立場での試合となった。

昨年の順位の関係で、大阪体育大学はあん馬からの演技であったが、昨年ミスを連発して、悪いムードを作ってしまったときとは打って変わって、今回は非常にいい演技が続いた。一昨年の関西新人戦で個人総合優勝した瀬古選手は、Eフロップや倒立一回ひねり3/3移動での下り技(E難度)を決め、大谷選手も同じくEフロップをきれいに決め、一気に波に乗った。つり輪では、安永選手が、け上がり中水平〜ナカヤマ〜肩を前に出して中水平〜アザリアンという、1.2の加点を得る連続を決めて9.500を出した。実施は静止時間、姿勢でまだまだ改善の余地があるものであったが、他と比較すれば飛び抜けていた。跳馬では瀬古選手がユルチェンコとび1回ひねりに挑戦して見事に成功。平行棒では各選手、ピーターズでの足割れがよく見られたが、ほぼミスを見せず、そして迎えた鉄棒。安永選手までは好調な演技を続けたが、大谷、瀬古と落下が続いてしまった。しかし、最後のゆかでは、これまた素晴らしい演技を連発した。瀬古選手は昨年、全日本インカレ二部で種目別優勝したこの種目で会場を沸かせた。最初にテンポ〜後方1回半〜前方1回半、2本目に後方2回半〜かかえ込み前方宙返り、フェドルチェンコ、そして最後の3回ひねりは着地をピタリと止め、9.100を出した。

一方、天理大は南村選手が我慢の演技でミスを抑えていたが、昨年のようなレベルではないことは否めず、好調な演技を続ける大阪体育大に追いつくことはできなかった。

個人総合は、足の怪我でゆかと跳馬の難度を下げてはいたものの、四回生の貫禄でミスを抑えていた安永選手が優勝。瀬古選手は鉄棒のミスが響き2位、南村選手が3位となった。

武庫川女子大、そして、昨年まで低迷していた大阪体育大学に期待の一年生が揃い、うまく戦力補充できた両チームに注目された。大阪体育大学(Aチーム)はエースの椋本啓子選手が環太平洋選手権参加の為に欠場。しかし、椋本選手同様、長崎の西海学園高校から入ったメンバーが参加。また、武庫川女子大学(Aチーム)は、2001年に全日本選手権の団体メンバーである平木、雨宮の二人に新しく椎原、松原といった選手が加わった。また、昨年武庫川女子大に肉迫した大阪教育大学は、オリンピック2次予選を終えたばかりの竹田千重美選手が出場したが、尾山選手が欠場。厳しい戦いが予想された。

武庫川女子大は、跳馬で着地を安定して決めてきて、好調なスタートを切った。特にこれまで比較的前転とび系が多かった中で、ユルチェンコ跳びも伸身をなかなか見なかったが、一年生二人がトライして、見事に決めていた。段違い平行棒も、これまでは鬼門であったが、今回は非常に好調で、そのままの勢いで、平均台とゆかも乗り切った形となった。特に、四回生の平木、雨宮がトップバッターと二番手を務め、これまでにないくらいの最高の安定感で後ろの一回生二人をうまくリードしていた。また、一回生の椎原選手は、各種目ミスを出さず、個人総合で2位に入った。

一方、大阪体育大学はやや不安定な演技が続いた。ゆかで一人怪我人を出し、平均台では落下もあり、好調な演技とは言えなかった。

個人総合は、竹田千重美選手が予想通り、ずば抜けた力を見せて優勝。段違い平行棒では予定した構成にならず、点が伸びなかったが、平均台では伸身前宙〜後転跳び〜後方開脚宙返りといった加点のあるシリーズも決め、そして、ゆかでは、3回ひねりや屈身ダブルこそ行わなかったが、その分安定した演技を見せ、跳馬では、非常に高い前転とび前方屈身宙返りを見せた。

ビデオギャラリーにて公開してます!(2004/4/19〜)


安永一歩(大阪体育大学)

竹田千重美(大阪教育大学)

南村修司(天理大学)

瀬古敦文(大阪体育大学)

山崎明日香(大阪体育大学)

雨宮美香(武庫川女子大学)

瀬古敦文(大阪体育大学)

椎原夕加里(武庫川女子大学)
※注意
椎原選手の段違い平行棒が、テープの不良で、ギンガー宙返りのところでノイズが入ってます。きれいに決めた演技だけに申し訳ないのですが何卒ご了承ください。