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取材実施日・・・2002/7/25

先日の兵庫県高校総体にて、ライバルの報徳、市立尼崎を破って団体優勝し、見事インターハイ出場を決めた姫路商業高校にお邪魔しました。

この日は、インターハイ本番が第一班の演技開始と決まった為、早朝から集まり、午前は規定を、午後は自由の練習という流れで行っておりました。しかし、木島選手、千葉選手は手首を、出口選手は腰を痛めているということで、選手はギリギリのところでインターハイに向けての練習をしていました。

この日は残念ながら会えませんでしたが、九州共立大学卒で、姫路出身で洛南OBの久保田毅選手(昨年の西日本インカレチャンピオン、全日本で個人総合53位)」も今はここで練習しているとのことです。

ジュニアの小学生からOBの社会人まで、幅広い世代の選手が公立高校で練習している・・・珍しく、そして、恵まれた環境であると思われました。

顧問の平野先生が体操部をスタートさせたのが1984年。その後、兵庫県でインターハイ出場を続けていた報徳学園高校に勝てるチャンスがありながら、惜しくも逃すことが数回あった。悔しい思いを重ねてきた中、7年前の1995年。ちょうど阪神大震災の年に、当時、鹿谷中学校の教師だった殿垣先生のもとに、現キャプテンの出口選手(写真右前列中央)が小学5年生の時に「体操を教えて欲しい」と門をたたき、中学生と一緒に姫商で合同練習を始めたのが姫商ジュニア発足のきっかけになった。そして、阿部選手(前列左)と木島選手(前列右)が加わり、口コミでどんどん輪が広がっていった。いずれも小学生のときであった。

現在、平野先生と共に指導する殿垣先生が姫商に転勤してきて、小中高一貫した指導システムが確立し、本格的なジュニア育成が始まった。これが「姫商ジュニア体操クラブ」の始まりである。

地域的に、クラブ数も少なく、こうしたジュニアレベルの選手が練習する機会がなかなかないとのことで、参加者は増えていった。練習が公立高校で行われているということもあり、月会費は何と無料である。(しかし、体操というスポーツの特性上、保険代だけはなしにする訳にはいかず、月々3500円の保険代はあるという。)

ジュニアの初代の選手たちが高校生になり、十分育ってきた今年、ついに宿敵報徳学園、市立尼崎を破ってインターハイ出場を決めた。創部18年・・・長年の夢をついに叶えた喜びは、選手達のみならず、先生方、そしてご父兄の方々にとってもかなり大きなものであったに違いない。

来年は、今の一年生と中学三年生も上に上がり、ジュニア出身生が増え、益々期待できるとのこと。来年の更なる活躍に期待したい。


インターハイ出場の選手たち(前列左より阿部圭祐選手(2年)、出口裕也選手(3年)、木島宏史選手(2年)、後列左より藤原拓郎選手(3年)、千葉康樹選手(3年)、松田基希選手(1年))

 


エースの木島宏史選手(二年)
兵庫県高校総体の規定の演技はこちら

キャプテンの出口裕也選手(三年)

兵庫県高校総体では規定で一位だった千葉康樹選手(三年)

木島選手と並んで、来年も更なる活躍が期待される阿部圭佑選手(二年)

ジュニアでは、まず楽しんで体操をさせているという。なので、選手に自由にさせているとのこと。しかし、中学生、高校生と上がるにつれ、まず、徹底した基本練習をさせ、そして、一時間の補強をさせる。補強後は、ゆで卵などのタンパク質の摂取。木島選手などはゆで卵6個を取ることもあるという。また、大塚製薬のジョグメイトも希望者は食べているとのこと。高校生の段階で必要な体作りにはかなり注意を払っている姿勢が見れた。

通常、練習は朝の時間にも行われるという。しかし、必ずしも学校から近いところに住んでいる選手ばかりでないので、中には毎朝五時に起きて、自転車で何分もかけてくる選手もいるという。辛いのは選手ばかりではない。上に述べたように、選手にはゆで卵などのタンパク質摂取をさせているため、それらの準備をするのはお母さん方である。朝食の準備もあるだろう。こうした家族の理解、協力も得ていることになる。

木島選手の脚を水平にした脚上挙(マンナ)
「あん馬にはこの脚上挙をする筋力が大事なんです」とのことで、
あん馬が得意な木島選手は素晴らしい捌きを見せてくれる。



公立高校にして、この立派な移動式のピットは恵まれていると思われた。片付けも体育館内にこのままの形で収まるスペースがある。

組み立てれば、ゆかや跳馬の助走に繋げることもできるという。

跳馬の助走路もある。これら全ての器具は、全て練習終了後はオフティングで片付けられる。かなりの数だが、ジュニアも含めると人数はいるので、40分ほどで片付くとのこと。

跳馬は必ずしも毎日出ないとのこと。他クラブとの兼ね合いで、夏休みは体育館の半分を使えるが、通常は週の何日かは体育館の四分の一しか使えないとのこと。

男子のみならず、女子のジュニアも練習している。

「女子までなかなか見る時間がない」と殿垣先生はおっしゃっていたが、合間を見ては気付いた点を指導されていた。しかし、ボランティアで女子コーチ(山本先生、川島先生)が来て下さっており、動きのレッスン専門のコーチ(萬福先生)もいるなど、男子に負けじと頑張っていた。

<<注目の技!

画像クリックで動画が再生されます!

中島立貴選手(中3)のあん馬
・・・清風の選手を破って優勝したこともある定評のある演技です。
中島選手は全国中学大会(8月・大阪)でも優勝の可能性があるとコーチ陣のお墨付きです。注目です!

木島選手の鉄棒のフェドルチェンコ降り(後方伸身二回宙返り三回ひねり)
・・・逆光の調整ミスで、動画化はできませんでしたが、一本は完全に立てるくらいに回ってました。この動画では回転不足気味なのが残念!

入部・入会希望は・・・

連絡先・・・殿垣先生までメールで連絡を下さい。
(姫路から離れていても遠慮なく連絡してほしいとのことでした)