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ロンドン五輪・・・女子団体予選

日本女子が北京五輪に続き見事に決勝進出を果たした。北京は8位通過であったが今回は6位。着実にアメリカ、ロシア、中国、ルーマニアの四強に続く実力国として評価されている。

男子と違い、決勝進出というのがとにかく一つの壁となっているが、北京以降は日本女子には大きな問題ではなくなっている。選手たちの安定性や実施の質さえ高ければ、難度が多少落ちてもある程度の得点を出せる今のルールというのが救いになっている。

北京以来、とにかく大きなミスを出さないということで信頼の厚い新竹を筆頭に、大舞台、あるいはここぞというところで自分の演技が出来る選手ばかりというのも大きなポイントであろう。特に代表入りするだけでも大変なくらいに層が厚くなっている中で、代表決定戦であるNHK杯で大混戦を制した5人のハートの強さは日本男子以上の逞しさを感じ、本番においても安心して見ていられる余裕を感じた。

残念ながら田中は本来の出来ではなく、ゆかで後方1回半~前方1回の組み合わせで蹴りが合わずに2つ目が前方半ひねりとなって、1本目ですでにその技を使っている為に難度が取れなかったばかりかシリーズ加点を取れなくなってしまった。更に跳馬でもユルチェンコ1回半でしりもちを着く大過失。それでも、段違い平行棒、平均台という2種目で大きなミスのない演技で後の選手に繋げた功績は大きい。また、美濃部は段違い平行棒でほん転倒立で前に倒れかけ、そして下りの前宙ダブルでしりもち。しかし、田中、美濃部のミスに関しては今年に入ってズレているという場面が多かった為、ミスが出るとすればここかな?という予感はしていた。しかし、大きな問題にならなかったのは、美濃部は最初の3人が成功している中であったこと、田中は12点を出せば決勝進出というラインが見える中であったからであろう。

寺本に関してはポディウム練習のレポートでユルチェンコ2回ひねりを戻してきたことが分かった時に、NHK杯辺りで狂いが生じていところがうまく修正できているのかなと思えた。段違い平行棒がその一つであるのだが、本来の流れを戻していたし、平均台の2回ターンは安定感を増していた。そして極めつけは跳馬。田中の失敗があるので1回半にするかと思いきや、2回ひねりにして見事に成功。彼女のひねり技に関する技術力の高さからすれば難しくない技なのだが、昨年のJAPAN CUPで失敗して以来、ひねりの軸を正確に感じず、ひねりに持ち込めないことが続いていた。しかし姿勢欠点はあるものの、ひねりのところの自信が戻ってきたのか、「ここでひねる!」というポイントがはっきりとして、余裕のある着地に繋がった。

鶴見は段違い平行棒と平均台で起用されると思いきや、平均台ではなく跳馬で起用された。その段違い平行棒ではここ数年で一番安定した演技を見せてくれた。片手軸のひねり系で難度を稼ぐのだが、手の怪我もあり、その軸ブレがかなり出ていることが続いていた。しかし、2種目だけの演技という中、練習でもしっかりとその安定性を高めることに集中できたであろうし、彼女こそ大舞台の強さを持っているので、ノーミスの演技は十分期待できた。その結果、チーム唯一の15点台をマークして北京五輪の平均台に続いて見事に種目別決勝に残った。これは偏に選手起用の作戦勝ちといえよう。

さて、優勝争い、メダル争いとなる上位4か国。世界チャンピオンのウィーバーが個人総合予選で国内3位となり予選落ちとなるほど、アメリカの層の厚さを感じる結果となっている。しかし、ロシアもムスタフィナが全種目トップバッターに置くという戦法で、エースのコモワが順当に得点を稼ぎ、決勝でアメリカと互角に戦える状態であった。一方、中国とルーマニアは中国はヤオ、ルーマニアはヨルダケと若手のエースに怪我があって本来の演技でなかった。それを踏まえても、中国のゆかと跳馬、ルーマニアの段違い平行棒は優勝争いに絡むには好得点が望めず、銅メダル争いが妥当なところだといえる。ミスの出た若手の起用方法が大きな鍵となるはずだ。

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2012年07月30日 11:40に投稿されたエントリーのページです。

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