今年の全日本インカレで男子が見事に一部に昇格し、男女そろって一部校となった関西の雄である大阪体育大学にお邪魔しました。関西で唯一の体育大学であり、大学の広大な敷地に大きな体操専用体育館があり、設備的にも、器具の数やピットの広さなど、大変恵まれたものでありました。
(右)バス停から体育館へ・・・この階段がトレーニングでも活用されているとのこと
<取材記事は三回にわたって掲載します>
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念願の一部へ
女子に関しては、シュツットガルト世界選手権代表で、今年の全日本選手権2位の椋本啓子選手が入学した2004年から順位を上げ、昨年の全日本インカレで二部優勝で一部昇格を果たしており、「残るは男子」という思いが強かったと思います。そのプレッシャーの中、今年の全日本インカレではミスが多く、満足できる出来ではなかったとのことですが、3位の駒澤大学にわずか0.50差、そして1位から4位まで約4点という僅差の接戦の中、見事に二部2位になり、そして、一部の九州東海大、明治大の点数を上回り、12年ぶりの一部昇格を果たしました。
来年、女子は椋本選手が抜けるのでその穴をどう埋めていくかが課題となり、また、男子も九州東海、東海、明治、国士舘、国際武道、天理辺りの実力が拮抗しており、ミスやコンディション次第で一部を維持するのは容易ではない状態です。その状況下、来年のインカレでは油断の許されない厳しい争いとなるのは十分予想されるので、一部校として戦う来年こそが本当の勝負になります。関西の大学体操界をリードする大学として、男女ともに目標を一部残留といわず、上位を目指してほしいと思います。ガンバ!!
付属校を持つ大学
田原男子監督いわく「うちには高校時代にインターハイなどで上位に入ったような選手がほとんどいない」という中、この体育館でジュニアのトップ体操クラブを持ち、そこから付属の大阪体育大学付属中学校(シュツットガルト世界選手権代表の沖口誠選手や、今年の全日本選手権あん馬優勝の田窪啓太選手も同中学出身です)、そして大阪体育大学浪商高等学校に上がるという道が用意され、大学に入って開花できるようにするルートが整ってます(※)。まだそのルートで上がる選手の数は多いとはいえないものの、その選手たちが確実に大学のレベルの底上げをしているのは事実。高校卒業後にほとんどが東日本の大学に進学するという「東高西低」型の図式がかなり根強い大学体操界だけに、大阪体育大学の選手たちの活躍は、大きな刺激となります。体操王国ともいわれる大阪にある大学でもあるので、その先導役として、更なる活躍を願いたいと思います。
(※)田原監督との会談の際、監督がトップ体操クラブの子供たちに勉強を教えいていたのが印象的でした。「体操をやっていたら簡単に上に上がれるというのにはしてない」ということで、勉強もしっかりと出来た上で受験をして、そして中学に上がる・・・当然かもしれませんが、その取り組み方は正に「選手の人間としての成長をも見守る」というもの。体操クラブで勉強まで面倒を見るケースはなかなかないのでは?
体育館紹介
バーンから女子の器具のエリアを撮影 | 跳馬や平行棒のピットが奥にあります |
バーンから鉄棒のピットエリアを撮影 | 女子平均台から体育館全景を撮影。右下の子供たちがトップ体操クラブの生徒たちです。あん馬の旋回は素晴らしかったです! |
バーン側からゆかやつり輪の各練習器具を撮影 | 男子新旧主将です。左が新主将の角野 輝之選手(兵庫・市立尼崎高校出身)、右が前主将の吉良 俊二選手(大分・杵築高等学校出身) |
※二回目以降でも画像で体育館内部をご覧いただけます。